我が家のお庭ではクロッカスの花が見頃です。
クロッカス、小さな花ですがなんとか太陽の光を浴びようと精一杯背伸びしているように見えます。
とても生き生きとして元気ですよ。
…そんな時にふと、今日担当した患者さんの事を思い出してしまいました。
「私、ホワイトニングを考えているんです。」
この患者さん、実は癌の闘病を経て一度は完治したのですが、後に再発。
今は抗がん剤を投与し、闘病生活をされている患者さんです。
抗がん剤投与の数日間はやはり体調がすぐれないそうです。
癌が再発してすぐに歯科医院へ来られた時は「再発のショックで眠れない。」と不安を隠せない様子に私もどんな言葉を掛けて良いのかずいぶん悩みました。
だけど今は受けとめていらっしゃるようですね。
本日はお口のクリーニングがメインでしたが本当に綺麗にご自分でお手入れされていて前向きになっていらっしゃるのがよくわかりました。
「ホワイトニング」で歯が綺麗になると確かにお口の健康を維持していこうとモチベーションが上がる方が多いと聞きます。
何よりも気持ちが上がるので日々の生活に潤いやはりがでます。
女性であれば尚更ですね。いつまでも綺麗でありたいと思う事はごく普通の事だと思います。
病は気からとも言います。
本来なら闘病中に歯のホワイトニング?
やめておいたら。体調を考えて完治してからにすれば。と思うかもしれません。
でも、気持ちが上がる事で身体を蝕んでいる癌の恐怖から一瞬でも解放されたり、心が元気になれるとしたら…。
ホワイトニングしても…OKなんじゃない。って思います 。
今回はホワイトニングに関してはメリットと体調の事も考えてのデメリットをお伝えしただけで「また考えてきます。」と保留になった状態で終わりました。
…ただ次回来院された時に「ホワイトニング」を希望された時は快くサポートさせて頂きたいと思っています。
軽い気持ちで「ホワイトニングを考えています。」と言ったのではないような気がして…。
私はお口の中や身体の健康ももちろんですが、患者さんの想いも大切にしていきたいと思っています。
心が元気じゃないと本当の意味で健康と言えるのかな?と思ってしまいます。
癌の治療をされている方々は口の渇きや少しの汚れでも無数の口内炎や歯茎の炎症を引き起こすと言われています。
インフルエンザ、溶連菌などもお口の中が汚れていると感染のリスクが高まります。
(↑データとして上げられているので本当です。)
また新型コロナウイルスに関しても同じ事が言えると最近、どこかの医師がおっしゃっていましたね。
私が今できる事…。
来院してこられる患者さんのお口の中の健康を守る事で持病の有無に関わらず少しでも感染・重症化へのリスクを下げる事。そして笑顔で帰って頂く事。
最近はそう考えて毎日の診療に携わっています。
患者さんが望むように自分の持ち場をなんとか守ってやっています。
本当にこの仕事は患者さんから日々教えられる事ばかり。
癌の再発=死の恐怖。
それでもきちんと受け止めて前へ進もうとする姿に人の生きる力強さを感じた1日でした。